栴檀は・・東野圭吾:卒業2010/01/09 17:10

お馴染み(なんですよね?)加賀恭一郎の最初の事件です。
何と言っても本作では加賀恭一郎はまだ大学生です。大学の仲間内で起こった不可解な連続する自殺?/他殺?事件を解き明かしていきます。

といっても、何せまだ大学生ですから、頭でっかちなところがあり、推理がすべて当たっている・・ということではないところがいいところです。
幾層もの複雑な構成となっていて、加賀恭一郎の推理に感心しながらも、それを越える事実の方に、また唸ってしまう、ということになります。
先に読んでしまった”赤い指”の方は、謎解きに関してはあまり見るべきものもない、加賀恭一郎という人間を読む小説でしたが、こちらはしっかりと謎を提示して、その謎解きを楽しむことができるようになっています。
これは、次の”新参者”もちょっと楽しみです。

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_ itchy1976の日記 - 2010/01/30 15:17

卒業 (講談社文庫)東野 圭吾講談社このアイテムの詳細を見る

今回は、東野圭吾『卒業』を紹介します。祥子が殺された第一の殺人は密室のトリックで、それは、自殺か他殺か?茶道の雪月花之式実施時に波香が殺された第二の殺人は茶道の雪月花之式のトリックである。この二つは関連しているのかどうか?加賀恭一郎と沙都子が真相を探るのである。

このトリックを暴き、真実を知ることに何の意味があるのだろうか?これは、自分たちの卒業の儀式だそうだ。真実を知ることで今まで築いていた関係をぶっ壊すということなんだろうか。これが、卒業ということである。新たな世界への旅立ちである。

加賀恭一郎が剣道に打ち込んでいた大学生のときの話である。東野氏によると、この加賀恭一郎をシリーズキャラクターとして使う予定がなかったみたいである。加賀は、お父さんと同じ職業を避けて、大学卒業後教師になるのである。

茶道の雪月花之式のトリックは図を見ながらやってみないとわからないな。あと、何でこういう風になったのか?友人関係のもろさを感じる。

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