手練の技:ゴダード・今ふたたびの海2010/05/02 16:37

歴史ロマンを書かせたら並ぶ者なき書き手、あるいは語り手(といった方が何となくしっくり来るような気もします)のロバート・ゴダードの作品です。
今作では18世紀初頭の”南海会社バブル”を題材に、典型的な巻き込まれ主人公が国家の、あるいは政府のあるいは人々の思惑に翻弄され続ける物語です。
いやもう、先が読めません。次から次へのどんでん返し。
とってもワクワクドキドキはらはらしながら読み進められますが、惜しいことに、途中でこのワクワクドキドキに慣れてしまう、というところがあります。

そして、更に惜しいことに、準主人公というか、女主人公の造形がイマイチなところがあり、結局どうなのさ!というところがはっきりしないのが読後の爽快感につながりません。ま、贅沢を言っているのですが。
どんでん返しを詰め込みすぎたのかもしれません。

でも、読んでいて楽しいことは間違いないですし、登場人物の多くがどうやら実在の人物であり、史実に基づいた物語であるらしいことはさすがにゴダードです。

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