ちょっと騙される?:東野圭吾・さまよう刃2010/05/30 09:57

テレビの”新参者”を見て、初めて東野圭吾に接して、東野圭吾の代表作なんだから、あの上田次郎教授の弟みたいな加賀恭一郎のキャラが東野圭吾の作風なんだろう、と思ってこんな本を読むと、ちょっと期待と違って驚くかもしれません。
また、作品の題名と主人公のギャップにちょっと驚くかもしれません。

未成年の少年グループによって蹂躙され、殺された少女の父親(あるいは父親たち)が少年法の壁を超えて制裁を加えよう、という作品です。
そもそも救いの無いストーリーですが、主人公・・の、この父親の心の動きが丁寧に書かれ、つい引き込まれて読んでしまいます。

が、既にその時点で作者の仕掛けた罠に引っかかってしまっているわけです。
どうしたってこの作品の主人公は少女の父親としか思われないようなストーリー展開になっているわけです。
が、実は主人公はそちらではなく、警察官の方なわけです。
そう思えばこの題名もよく理解ができます。

個人的には、救いの無いストーリーに少々引いてしまいますが。

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