やっぱりこっち側の伊坂幸太郎は面白い!「砂漠」2015/09/12 08:49

伊坂幸太郎はそのよく練られた構成と爽快なタッチが好きで、一時期相当読みました。
が、恐らく、作者としてはそういう軽いノリのものはあまり自分の本質ではないのだ、と思ったのかどうか、どうもあっち側に行きかけてしまって、少し離れてしまいました。

先日立ち寄った書店で「砂漠」という本を見かけて、知らないなあ・・と買ってみました。
読み進めてすぐに、あ、これは読んだことがある、と、結末が大体思い出せたのですが、それでよまずに置いてしまうか、、というとそんなことは全くなく、実に面白く読み進めました。

一歩下がってみると、砂漠の中のオアシス期間で何をお気楽にやってるんだ、という捉え方もあるかと思いますが、それぞれの人物が面白いし、さりげなく南の特技が当たり前のように配置されていたりするのも実にアクセントになっていて面白い。ここいら辺を不自然に思わせないのが作り込みの妙なんでしょうか。

グリシャムが、リーガル・サスペンスの路線を邁進しつつ、時どきに読者側ではなく自分寄りの作品を書いているように、伊坂幸太郎にも一般ピーポー読者寄りの作品もどんどん書いていって欲しい。

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