悪党揃いでも心震える:オレたち花のバブル組2012/12/02 16:53

池井戸潤の「バブル入行組」三部作の第二弾です。

いやもう、この作品くらいこの業界の評判を低からしめるものもないのではないか、と心配になるくらい銀行業界の暗部・恥部をこれでもか、というくらい描き出しています。
”権威主義””権力主義””事なかれ主義””派閥主義”・・

そしてまた、普通ならこういったドロドロをスーパーヒーローが爽やかに断ち切ってくれるところなのですが、このシリーズの主人公は必ずしもそういう爽やかな存在ではなく、相手の弱みを握った瞬間にいきなりの上から目線になる嫌なやつ・・

ところが、この作品ではそういった嫌らしさを全てカバーしてくれる陰の主人公・近藤が登場します。
実は、この近藤は仕事のプレッシャーに負けて一年間の休職を余儀なくされ、そのために完全に出世レースからは外れてしまった所謂負け組なわけですが、お飾り状態の出向先で銀行員のプライドを取り戻す、という構図になっています。

それまでの出向先での疎まれ方が凄まじかっただけに、そして、近藤の弱さも際立っていただけに、プライドを取り戻して逆襲を開始するシーンでは読んでいて思わず体が震えました。
ま、この近藤も実は・・なわけですが、ま、このシーンがあるだけで許します。

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