世代論はどうでもいい:ロスジェネの逆襲2012/11/04 13:44

たまたま置いてあったので読んでみました。
どうやら三部作らしく、これはその第三弾にあたるようなので、読み方としては正しくないのでしょうが、単独作として読んで十分に面白かった。
池井戸潤作の「ロスジェネの逆襲」です。

子会社に飛ばされたバブル世代の主人公が親会社に対して戦いを挑み・・
ということなのですが、ま、そのあたりも面白かったのですが、主人公が勤めるのは銀行/証券会社なのですが、実際のバトルの舞台となるのはバブリーなIT企業間の戦いになっています。

この幾つか登場するIT企業がそれぞれ独特な起業家に率いられたそれぞれ独特な企業で、このあたりの描き方が、いかにもありそう、というか、何年か前のITバブルでの興亡を思い起こさせて実に面白かった。
「ライブドア事件」やら「ネクストイノベーション事件」やらを思い出してしまいました。

この本の題名に「ロスジェネ」という記載があり、作品中でもバブル世代とロスジェネ世代間の相克などが出てきますが、このあたりの世代論は実はあまり面白くなくて、そんな世代論なんてものはなくってもこういうバトルというのは何時の世にもあったし、これからだってあるに違いない、と思いました。
でも、ま、そんな世代論は抜きにしても、こういうビジネスバトル物は好きだ、ということもありますが、一気に読ませる読み物に仕上がっています。

さて、こうなったら三部作を読まなくては。

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