今も新しいドロシー・セイヤーズ:学寮祭の夜2010/11/11 21:33

ドロシー・セイヤーズのピーター・ウィムジー卿大活躍のお話!・・かと思いきや、ウィムジー卿、なかなか出てきません。
その前にこの本、何と700ページの大作です。片手は吊り輪に行っていますので、どうしても片手で持つことになるので、ちょっと重いです。
そんな大作なのですが、普通の文庫なら一冊分終わってしまう頃まで出てきません。おいおい、これはウィムジー卿は出てこないまま終わる、という新機軸なのか?と思ってしまいました。

お話はハリエットが依頼を受けて母校オクスフォードの学寮で横行している謎の悪意を解き明かしていく・・が、うまく行かずに、途中からウィムジー卿が参戦する、というものです。

謎は謎として、実はこれ、ハリエットとウィムジー卿の仲、そして、それを敷衍するかのように、社会における女性のポジションを巡るお話なのです。
出版されたのは1935年という時代なのですが、実に今読んでも新鮮な気がして改めて驚きました。

そのあたりを巡っての記述(ハリエットのピーターにまつわる複雑な思い、あるいは女性の先生方の丁々発止)が長く、読み始め、ちょっと退屈だなあ・・と思ってしまったことを反省します。

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