ホーギーのウォーショースキー化を止めろ!2011/04/03 10:22

最近のお楽しみは、デイビッド・ハンドラー、ハーラン・コーベン、ローレンス・ブロックといったあたりなのですが、今回の作品はデイビッド・ハンドラーのゴーストライター、スチュアート・ホーグものの”傷心”です。

実は、以前、スー・グラフトンとサラ・パレツキーが好きだった時期があって、でも、パレツキーの主人公のV.I. ウォーショースキーがどんどん親族の争いから出なくなってきて、本人も巻き込んだどろどろした関係が鬱陶しくなって離れてきてしまった経緯があります。
シリーズ物だと、どうもそのうち親族を巻き込んだものにかかりがちで、どうやらそういう時点でそのシリーズは魅力が薄れてくる、というパターンがありそうで、注意が必要です。
(大丈夫か?キンジー・ミルホーン!)

さてさて、この軽快なおしゃべりゴーストのホーグですが、今回はちょっと趣が違っています。
何が違うって、田舎町にメリリーと一緒に引っ込んでしまっているところから始まります。そして、何と言っても大きいのがゴーストの対象。
これまではコメディアンやらミュージシャンやら映画監督やら作家やら、大いに一癖も二癖もある人物がゴーストの対象で、概ね大いにいやらしい人物で、でもその一方、そこまでになる人物らしい魅力もしっかり描かれていて、そのバランスの妙が一つの魅力でした。

ところが今回は何の実績もない小娘!

若い頃に世話になった人の娘、ということでゴーストを引き受ける、という設定で、ここがそもそも弱いです。
ですので、いつもの自己紹介に使われる、”ホーギー””ホーギー・カーマイケルの?””いや、チーズステーキの方の”というセリフも出てきません。
ルルは大活躍するのですが・・

ということで、この路線を走ってほしくない、ウォーショースキー化は止めて欲しい・・と、密かに心配になる一作でした。

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