ソニーのinfocarryという異端のデバイス2010/03/09 17:24

以前、ソニーのinfocarryというデバイスを持ち歩いていました。
これはどういうカテゴリーに入るのか良くわかりません。PDA・・でもなさそうな気がします。

これは一見、PDAのように見えますが(って、そもそもPDAという物自体が絶滅危惧種ですね)、基本的に入力機能は持ちません。例のくるくるぴっ!のジョグダイヤルがあるだけで、中に入っているテキストやビットマップの図を見るだけ、しかも、表示自体もモノクロの反射型の液晶、という潔さです。
当然、出来ることは本当に限られていて、PCと接続しない限りメモはおろかファイルの削除すらできませんし、ネット・・って、なにそれ?というものです。
まあ、電子プリンターでプリントアウトを持ち歩ける、と言うのがイメージ的に近いと思います。

ただ、そういう思い切りの良さのおかげでテキストを読んだりするのには適しているし、単四電池一本で驚きの30時間持ちます。
一時期、これに青空文庫を入れて通勤途上でつり革につかまりながら読んでいました。片手でも楽々持てるサイズ、重さ、疲れない見やすい液晶、くるくるぴっ!の楽々操作感が快適でした。
PCに接続して、時刻表などのちょっとしたメモや地図などを転送しておいて参照したりもしていました。
スーツのポケットに入れていたり、カバンに放り込んだりといったハンドリングだったので、ある日液晶が一部死んでしまって使えなくなってしまいましたが、こういうニッチだけれど思い切った専用デバイスというのもいいものでした。

ビジネス的には恐らくうまくいかなかったのだと思いますが、こういうことをやっていたソニーは好きでした。

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