じゃんくボックス

伊坂幸太郎はこれまでほとんど読んできたと思います。今年度は映画も劇場で”重力ピエロ”も”ゴールデンスランバー”も見てきました。ビデオで”アヒルと鴨のコインロッカー”と”チルドレン”も見ました。
が、”あるキング”には困ってしまって、ちょっとこれはパスかなあ・・と思ってしまって”SOSの猿”はスルーしていたのですが、家族からクレームが出たので、ま、エコポイントの図書券もきたし、いいかな、と思って読んでみたわけです。

・・やっぱり困ってしまいました。
いや、それぞれのエピソードは面白いんです。イガグリさんの誤発注追求とか、二郎君のエクソシストとか、あるいはコンビニ合唱隊のちょっとした話なんかも結構興味深い。
なのに、何故にこれを西遊記がつながなければならないんだろう。それで何がプラスアルファになったんだろう・・
構成部品としてのそれぞれのエピソードは面白いのに、構築された全体が面白くない、という、伊坂幸太郎にしてはとっても珍しい出来になってしまっています。

帯に”この物語が誰かを救う”とありますが、残念ながら私は救われなかったようです。救って欲しかったが。