ちょっと違った村上春樹:カンガルー日和2009/09/12 17:12

村上春樹の旅行記・滞在記を続けて読んで、次に読んだのがこの”カンガルー日和”でした。
比較的初期の頃に、”書店には並ばない小さな雑誌のために”書き続けた短編を集めたものだそうで、実験的な(というか、村上春樹らしくない)作品も含め、それこそ短い10ページ程度の短編が18編並んでいます。
旅行記を読んだすぐあとだったので、ついつい村上春樹本人の周辺雑記を書いているような錯覚を覚えてしまいましたが、読み進めると、後につながるような村上ワールドも味わえます。

私のお薦めは
”サウスベイ・ストラット”
”図書館奇譚”
の二編。
前者は、村上春樹がスペンサーものを書いてみたらどうなるの?という(ちょっと乱暴な言い方ですが)作品です。ちょっとびっくり。
後者は、これは他の作品と比べて長いのですが、何といっても図書館に存在するはずもない迷路のような地下室に羊男がいて・・という、もう村上ワールド爆発のシチュエーションです。

色々な村上ワールドを味わえました。

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